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2020.05.28

【新型コロナ対策】従業員を抱える事業主必読! 雇用調整助成金の特例措置を解説します

新型コロナウイルスによって営業自粛・休業したいけど、従業員への給料を支払わなければならないからなかなか休業できない…。そんな悩みを抱える事業主は少なくないでしょう。「雇用調整助成金」という制度を知っていますか? これは従来から採用されている制度ですが、昨今の状況にともなって特例措置がとられ、制度が緩和化しています。

今回はその特例措置をふまえた、新型コロナウイルスによって休業をする事業者への雇用調整助成金について解説していきます(2020年5月15日更新)。

========目次========
助成を受けるには、平均賃金の60%以上を休業手当として支払うことが大前提
特例措置は4月1日〜6月30日の休業において有効
いくらもらえる? 助成金額算出方法
申請は労働局やハローワークで
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助成を受けるには、平均賃金の60%以上を休業手当として支払うことが大前提

雇用調整助成金とは、経済上の理由によって事業の縮小を余儀なくされ、従業員は雇用したまま一時休業等をしたときに、休業手当や賃金として従業員へ支払った分の一部を助成する制度です。休業等を行う事業主に対して支払われるものであり、労働者個人には支給されません。

 

事業主が従業員に対して支払う休業期間中の休業手当の額が、平均賃金の60%以上であることが助成の条件となります。

また労働者の雇用の維持を目的とするため、社長や役員、自営業の家族従事者等は助成の対象にならないので注意しましょう。

特例措置は4月1日〜6月30日の休業において有効

2020年4月1日〜6月30日を「緊急対応期間」として、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者向けへ、雇用調整助成金の特例措置が決定しました。

これまでは従業員に支払った休業手当のうち、平均賃金の60%分が所定の割合で助成されるのみでしたが、特例措置によりその助成割合が上がり、また平均賃金の60%を超えて休業手当を支払った場合はその超過分を全額助成されることになったのです。

助成率だけでなく、これまでの条件であった雇用保険の適用事業所であることが撤廃されたり、一部書類の提出が不要になったりと、内容がかなり緩和されています(2020年5月15日時点)。

 

従業員をもつ事業者は、まず下記2点に当てはまるかどうかを確認しましょう。

 

・新型コロナウイルスの影響で経営が悪化し事業縮小のため休業等を行った場合

・2020年4月1日〜6月30日に休業手当を支払った休業期間があること(休業初日が2020年1月24日以降でも特例措置の範囲内)

 

この2つに当てはまれば、高い確率で助成金を受給できます。

特例措置がどのような内容になっているのか、たくさんの項目がありますが一つ一つ確認していきましょう。

 

  1. 生産指標要件(最近1ヵ月の生産指標が前年同期と比べて減少していること)の緩和

【通常:3か月10%以上低下 → 特例:1か月5%以上低下】

 

  1. 雇用量要件(従業員の雇用数が前年同期と比べて一定数増えていないこと)の撤廃

 

  1. 事業所設置後1年未満の事業所についても助成対象とする

 

  1. 雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成の対象に含める

 

  1. 雇用保険被保険者期間要件(雇用の継続期間が6か月以上であること)の撤廃

※1日も勤務していない従業員の休業についても助成対象

 

  1. 助成率アップ

【中小企業は通常2/3 → 特例4/5、大企業は通常1/2 → 特例2/3】※解雇等を行わない場合は中小企業9/10、大企業3/4とする

 

  1. 休業等計画届の提出が不要

 

  1. クーリング期間(前回の助成金受給満了から1年間は再受給できないこと)の撤廃

 

  1. 支給限度日数

 

  1. 4/1~6/30中の休業等であれば、通常の支給限度日数とは別に100日まで受給できる

 

  1. 過去の受給日数に関わらず支給限度日数まで受給可能

 

  1. 短時間一斉休業の要件の緩和

【通常:事業所全体の従業員全員が一斉に1時間以上休業する → 特例:部門別で短時間一斉休業、同じシフトの労働者だけで短時間休業する等】

 

  1. 休業等規模要件(休業日数が所定労働日数の一定以上であること)の緩和

【通常:中小企業は1/20、大企業は1/15以上 → 特例:中小企業は1/40、大企業は1/30以上】

 

  1. 残業相殺(休業の時間から時間外労働等の時間を相殺して支給すること)の停止

 

  1. 風俗関連事業者も限定なく対象とする

 

  1. これまでに労働保険料の滞納や労働関係法令違反の履歴があっても、特例措置は受けられる

 

 

なお助成金は、従業員へ実際に休業手当を支払ってからでないと受給できませんので注意しましょう。

 

また事業所内に新型コロナウイルスの感染者が出て、事業主が自主的に休業等を行った場合、感染者以外の従業員への休業手当が助成の対象となり、感染者本人の休業手当は助成の対象外となります(本人には健康保険制度から傷病手当金が支給されるため)。

いくらもらえる? 助成金額算出方法

前述したように、雇用調整助成金を受給するには従業員の平均賃金の60%以上を休業手当として従業員に支払う必要があります。

従業員の平均賃金を算出するには、これまで「労働保険確定保険料申告書」を用いていましたが、特例措置では「源泉所得税」の納付書により算出できる(より簡単!)ようになりました。

 

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一人当たりの平均賃金額 = 源泉所得税納付書の「支給額」 ÷ 従業員数

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また前項13の休業等規模要件を算出する場合の計算式も簡素化され、下記のようになりました。

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 年間所定労働日数 = 任意の1か月の所定労働日数 × 12

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そして一番重要な、どのくらい助成されるのかというところについてです。

下記算出方法になっていますが、助成の上限は、従業員一人に対して1日あたり8,330円(雇用保険基本手当日額の最高額)とされています。

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助成額 = 実際に支払った休業手当額 × 助成率

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申請は労働局やハローワークで

助成金の申請には、最寄りの都道府県労働局やハローワークで手続きをすることとなります。

より簡素化された申請方法や用紙が用いられる予定ですが、詳細は5月19日に厚労省より公表予定とされています。

随時こちらの記事でも更新していきます。

 

 

学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金コールセンター

 

0120-60-3999

受付時間 9:00~21:00(土日祝日含む)

参考

厚生労働省 「雇用調整助成金」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

 

厚生労働省 「雇用調整助成金ガイドブック」

https://www.mhlw.go.jp/content/000625731.pdf

 

厚生労働省 リーフレット「助成額の算定方法を大幅に簡略化し、雇用調整助成金の手続を更に簡素化します」

https://www.mhlw.go.jp/content/000630379.pdf

 

厚生労働省 リーフレット「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ中小企業の皆様への雇用調整助成金の特例を拡充します」

https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000627089.pdf

 

厚生労働省 「雇用調整助成金FAQ」

https://www.mhlw.go.jp/content/000625730.pdf

 

厚生労働省 2020/5/1「雇用調整助成金の特例措置を実施します」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11128.html