SKILL UP

2019.05.14

必ず顧客のニーズに近づける、フリーランスにも活用できる“デザイン思考”とは?

マムズラボ株式会社主催のセミナー『マムズラボカレッジ』よりまたまた依頼を頂いて、編集部スタッフが取材参加してきました!
今回はこれまでの取材とは違い、ハンズオンワークショップです。日本マイクロソフト株式会社デジタルアドバイザーの田澤孝之さんと西田彩祐梨さんが講師となり、“デザイン思考”をベースに開発されたアイディエーション手法について実践的に学んできました。有名企業のサービスを利用する人たちが感じているニーズと、それに対してどんな解決策が考えられるのか、チームになってディスカッションしてきた様子をレポートします!

========目次========
今回は、3時間にも及ぶワークショップ!
マイクロソフト社の品川オフィスへ
技術だけでない、さらなる価値を顧客に提供するため必要となるのがデザイン思考
自分が某航空会社の社員であると仮定して、ワークショップ開始!
デザイン思考に関するまとめ
受講してみて
初心者でも受けやすい、理解しやすい内容
編集部総評:★★★★★
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今回は、3時間にも及ぶワークショップ!

マイクロソフト社の品川オフィスへ

マイクロソフトさんからも、マムズラボさんからも事前に案内メールを頂いていたので、大きなビルのエントランスを通るのも安心。
会場に入り受付をすると、A~Dの4チームに分けられます。編集部スタッフは、Cチームに参加! 1チームあたり5~6名ほどで、20代~50代まで、男女幅広く参加されていました。

技術だけでない、さらなる価値を顧客に提供するため必要となるのがデザイン思考

まず講師のお二人のほか、A~Dの各チームにコーチとして参加する方の紹介がありました。皆さんマイクロソフト社の方で、人材開発やコンサル等、様々な部署で働かれているようです。

そしてここから本題へ。まずは、「“デジタルトランスフォーメーション” “デザイン思考”って何なの?」というところから解説をしてもらいます。
この世界の技術は産業革命によって現在まで変革を遂げてきましたが、今後は技術だけでなく、顧客に価値ある製品やサービスを生み出していくことが重要になっていきます。その中で必要となるのがデザイン思考。デザイン思考とは、人間の課題を解決するため分析的に、かつ直感的に考えることを言うそうです。実際の考え方は、次の5つのステップ。これがとても重要と、講師の西田さんは仰っていました!

①顧客の気持ちになって共感する
②顧客の課題やニーズは何なのか考える
③課題解決のソリューションを考案する
④その解決策が正しいか確認するためにプロトタイプを作成する、寸劇でもOK
⑤有効なのかを実証する
→①に戻り、以下ループ

そしてデザイン思考には2つのポイントがあります。これが後のワークショップで重要になってくる模様。

【ポイント1】
顧客を観察する(ニーズを掘り起こす)、
顧客に共感する(何が好きか何に困っているのか)、
顧客を洞察する(これが好きかもしれない、こう考えているかもしれない)

【ポイント2】
ビジネス価値(お金稼ぎになるのか)
ソリューション価値(技術的に実現可能なのか)
顧客価値(合理的で役に立つ、顧客のより良い経験になるのか)
上記をふまえて、いよいよチームに分かれます。何だか考えることがたくさんありそうですが、大丈夫なのか…?

自分が某航空会社の社員であると仮定して、ワークショップ開始!

ここからはチームに分かれて、実在する企業を例に考え方を学んでいきます。編集部スタッフの参加したCチームでは、某大手航空会社が題材でした。
初めにチーム内で自己紹介。アプリ開発のプロダクトマネージャーさんや、デザイン思考をすでに会社で取り入れているというメーカー勤務の方等、様々な職種の人たちが集まりました。

次に、あらかじめ設定されたペルソナのスペックや思考、趣味嗜好を読み込みます。
「日本企業の年功序列に辟易して、日系IT企業からスタートアップへ転職」「明日急に出張なんて…アシスタントも帰っちゃったし、自分で航空券の予約もしなくちゃ。」等、細かいところまで設定されています。各自読み終えたら、ペルソナに対して感じたことをとにかく付箋にメモ。チームで出し合った結果は、一部ですが次のようになりました。ここで当初の【ポイント1】が役に立ちますよ。

【観察】
・現実的、効率重視、プライドが高そう
・ITに詳しいため、こだわりがある
・頼れる人やツールがあれば頼って、色々なことをまとめて考えたい

【共感】
・やることがいっぱい(仕事、パッキング、航空券手配、宿泊手配等)

【洞察】
・機内でのWi-Fi利用予定、仕事をしながら向かいたい
・飛行機の搭乗時間だけでなく、空港までの乗換案内も欲しい

そして挙がった要素から、このペルソナが抱えている課題やニーズを検討していきます。
ここでは、航空券の予約から搭乗、目的地到着までの手続きを簡単に、確実に、速く済ませたいという気持ちを汲んで「何を見て選べばよいか分からない、リアルタイムで手続きのレスポンスが欲しい」ということをペルソナの抱えている課題としました。

ここまで細かく考えて初めて、課題解決のために何が出来るか、案を出し合います。途中行き詰まったCチームを見て、「この時点では、“どこでもドア”のような非現実的なアイディアでもOKですよ」と講師の田澤さんがアドバイスしてくださいました。大事なのは限られた時間の中でとにかく考えて、とにかくアウトプットしていくことなんですね。
結果的に、予約・搭乗・目的地に合わせて次のソリューションを絞り出しました。

予約…キャンセルや変更も含め手続きの簡略化、スケジュールのリマインドをするアプリをつくる
搭乗…手荷物検査なし、自分のところに飛行機が来てくれるウーバーフライト、客室乗務員を減らしIT化
目的地…タクシー手配、宿泊先の予約、飲食店提案

ここでソリューションがうまく出てこない場合は、ペルソナの課題を見直す必要があるそうです。なるほど。
絞り出した内容をさらに吟味して、『ウーバーフライト』としたアプリケーションを製作し、予約や振替等の手続きはもちろん、空港に向かうまでのスケジュールも含めたリマインド機能、目的地の宿泊先や飲食店予約、問い合わせはチャットでbotが即回答する等、旅の全てをこれ一つで解決できるサービスをつくることに決まりました。ここで出すサービスのネーミングも、顧客に刺さるような、かつ分かりやすいものである必要があるのでとっても重要。
そしていくつかのソリューションを絞り出して初めて、【ポイント2】が出てきます。『ウーバーフライト』は果たして3つの価値全てに該当するのか、検討しました。

【ビジネス価値】
・bot対応を蓄積することで、顧客データ(傾向、嗜好性等)を得られる
・ブランドロイヤリティが高まる
・宿泊施設やレストラン、お土産店の広告収入を得られる

【ソリューション価値】
・スマホ、位置情報、チャットbot、AI/IoTによって実現可能

【顧客価値】
・出発から目的地到着まで、簡単で正確に予約手配や搭乗手続きができ、調べる手間も減る
・心地よいサービスを受けられ、仕事(出張、機内作業)をする上での懸念がなくなる
・時間に余裕ができ、プライベートでの利用についても考えられるようになる
・普段使用しているSNSへ書き込みたくなる

3つとも、当てはまりました! よって、Cチームの『ウーバーフライト』というソリューションは、実現できてかつその価値もありそうです!
初めは真っ白だったホワイトボードも、終わるころには付箋だらけに。

最後にはチームごとにディスカッション結果を発表し合いました。
Aチーム(アパレルSPA企業)ではスポーツウェアの再開発やそれに伴う他社提携、Bチーム(通信キャリア)では利用者専用コンシェルジュアプリ、Dチーム(コンビニエンスストア)ではコンビニの方から自分のところへ来てくれるデリバリーサービスと、思わず「なるほど~」と言ってしまうようなアイディアが出されていました。

デザイン思考に関するまとめ

●顧客の課題(ニーズ)把握と、その解決(ソリューション)のためには「観察・共感・洞察」と「ビジネス価値、ソリューション価値、顧客価値」。
●考える時間を区切って、限られた時間の中で考え抜くことが大切。
●まずは浮かんだことを何でも書き出し、“間違い”と思わない。躊躇して取り下げた考えが、大きなソリューションに繋がるかも。

受講してみて

初心者でも受けやすい、理解しやすい内容

ワークショップって知らない人ばかりだし、業界に詳しくないと不安だったりもしますよね。でも実際に参加してみると、“デザイン思考、聞いたことはある”くらいの知識でも、3時間があっという間で楽しく学べる時間でした。チームに一人ずつコーチが付いていたのも、とても心強かったです。ところどころ出てくる“ペルソナ”等のワードも解説してもらえましたし、「聞いたことない方」の挙手ではなく「聞いたことある方」の挙手を促してもらえたので、より参加しやすい雰囲気に感じました。
BtoCの企業だけでなく、幅広い顧客が相手となるフリーランスにとっても、デザイン思考は活用できると思います。一見難しそうにも見えますが、細分化して考えていくと実は簡単。ぜひ日々のお仕事に、取り入れてみてください。繰り返すことで訓練になり、精度も上がるそうですよ!

編集部総評:★★★★★

テーマや内容の実用性 ★★★★★
分かりやすさ       ★★★★★
コストパフォーマンス   ★★★★★
時間配分        ★★★★★
環境・設備       ★★★★★

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フリマネ編集部 中村 nakamura@y-h-c.com